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グラフェンを紫に発色、広島大学が新材料で提案

グラフェンを紫に発色、広島大学が新材料で提案

図1.(a)ナノグラフェンの模式図 (b)ナノグラフェンの蛍光スペクトル。写真はジクロロメタン中で360nmの励起光の照射により紫色を示すナノグラフェン (c)励起光の制御により、様々な色で発光するナノグラフェン (d)紫色を示すPVDFフィルム中に分散させたナノグラフェン(広島大学提供)

広島大学の有村咲紀大学院生と関谷亮准教授、灰野岳晴教授らは、シート状の炭素分子であるグラフェンを紫に発色させることに成功した。グラフェンの縁に青や赤に発色する官能基を導入する。一つの材料で青と赤の中間色を制御できる。フィルム化にも成功。発光材料として提案していく。

直径20ナノメートル(ナノは10億分の1)程度のグラフェンの断片に発色性官能基を導入する。グラフェンの縁にはカルボキシ基などの導入点が多く、ここに赤と青の発色性官能基を結合させた。波長360ナノメートルの光で励起すると紫色に光った。励起光と溶媒を調整するとオレンジや緑にも光る。

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)にグラフェンを分散させて固めると紫色に光るフィルムができた。グラフェンが凝集すると分子振動が抑えられて発光が増幅される。一般に凝集すると機能が失われるため、フィルムなどの固体中で発光させることが難しかった。

新材料は炭素と水素、窒素などのありふれた元素で構成されるため、資源として循環させやすい発色材料として提案していく。

日刊工業新聞 2024年02月15日

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