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清水建設が開発、ロボアーム型で有筋構造部材を自動造形する技術の効果

清水建設が開発、ロボアーム型で有筋構造部材を自動造形する技術の効果

材料噴射型3Dプリンティングで造形した有筋構造部材の出来形

清水建設は材料噴射型の3次元(3D)プリンティング技術を使い、鉄筋を内蔵した有筋構造部材を自動造形する技術を開発した。有筋構造部材の3Dプリンティングを実用化できれば、施工の省人化・省力化に加えて、鉄筋コンクリート構造物の施工に利用される木製型枠の使用量を低減でき、環境負荷の低減効果も見込める。今後は材料の改良などを進め、造形精度の一層の向上や複雑形状への対応を目指す。

人の腕と同等の動きができるロボットアーム型の3Dプリンターを利用。鉄筋の外周を旋回するロボットアーム先端のノズルからプリント材料を斜め下方に噴射。鉄筋内部への充填が完了した後、表層全体に配合の異なる表層用プリント材料を重ねて吹き付ける。部材表面をコテで平滑に整える表面仕上げ、3Dスキャンによる出来形計測までロボットアームが担う。

材料吐出量や空気流量などの噴射に関するパラメーターを適切に調整することで鉄筋内部への充填性や表面仕上げの平滑性を向上し、出来形品質を確保。構造性能にも優れ、梁(はり)部材の載荷実験の検証結果から、在来工法で施工した鉄筋コンクリート部材と同等以上の構造耐力と靱性があることを確認した。

日刊工業新聞 2024年02月07日

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