超高層ビル解体を脱炭素化・時短、清水建設が新工法
清水建設は一連の解体プロセスにデジタル・ロボット技術を取り入れた環境配慮型超高層解体工法「グリーン サイクル デモリッション」を開発した。環境負荷の低減と生産性の向上に役立つ。東京都内で施工中の「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地再開発事業解体工事」に適用した。超高層ビル解体工事の標準工法に位置付け、事業者への技術提案を行う。
ブロック状に切断した躯体(くたい)を大型クレーンで最上階から吊り降ろし、地上で破砕・分別するブロック解体工法を基に新工法を構築した。
鉄骨躯体の解体には、自社開発の自動プラズマ切断装置を活用。同装置を下層階での鉄骨柱・梁(はり)の先行切断作業に使い、二酸化炭素(CO2)の排出量削減と作業時間短縮を実現する。
鉄骨柱・梁の先行切断に使用する自動プラズマ切断装置は、切断機ユニットと制御ユニットで構成。切断機ユニットの電極からの放電エネルギーを利用し、金属部材を切断する。同装置は高温プラズマを熱源として利用するため切断スピードが速く、ガス切断と比べて作業時間を3割程度削減できる。
日刊工業新聞 2023年12月26日