EV充電のタイミング・量を自動制御で料金低減、東ガスがDR実証
法人支援サービス拡販
東京ガスは電気自動車(EV)を活用し、電力の需要を制御するデマンドレスポンス(DR)の実証を始めた。EV充電を遠隔から自動制御する自社開発の充電管理システムを用い、充電を適切な時間帯にシフトすることで、電力使用量を抑える。EVが持つDR能力を評価・検証し、同管理システムを使った法人・自治体向けEV導入支援サービス「チャージプランナー」の拡販を目指す。
グループ会社である東京ガスネットワークの立川(東京都立川市)、本千葉(千葉市中央区)、北浦和(さいたま市浦和区)、つくば(茨城県つくば市)の4事業所で稼働する社用EV計19台を使用する。東京ガスの節電プログラムに参加し、2月末まで実践する。
充電管理システムは充電のタイミングと量を自動制御する。一般的な充電器は接続したらすぐに充電を始めるため、契約する電気使用量を超えてしまう可能性がある。これに対し、接続してもすぐには充電せず、契約電気を超えないようなタイミングで充電し、電気料金の上昇を抑える。
この機能を使い、節電要請時には、要請時間外に充電時間帯を自動的にシフトする。これにより、DRが発動されなかった場合に比べて、電力使用量を下げられ、節電参加者は報酬を受けられるメリットがある。
チャージプランナーは2023年5月に発表したサービス。最適なEV導入計画の策定を支援するほか、充電設備の設計・施工・保守まで対応し、補助金申請も担う。充電設備を東京ガス資産とすることで資産管理が不要となり、高額な初期費用も低減できる。
電力の安定供給には需要と供給を一致させる必要があり、バランスが崩れると大停電になる恐れがある。特に最近は再生可能エネルギーの普及と老朽火力発電の休廃止で、安定供給が難しくなり、夏と冬に節電を呼びかけるキャンペーンが恒常化している。
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