「ギガキャスト」対応の部品拡充へ…メイドー、独ネジ社と来年度協業
メイドー(愛知県豊田市、長谷川靖高社長)は、金属や樹脂製のセルフタッピングネジを手がけるドイツのエジョット(ノルトライン・ヴェストファーレン州)と協業の検討に向けた覚書を締結した。連携協議を進め、2024年度内にも協業の開始を目指す。電気自動車(EV)の製造において検討が進む、車体構造を一体成形する生産技術「ギガキャスト」で使用する締結部品の開発や製造、販売につなげる。
両社の協業の具体的内容は今後詰める。ライセンス契約ではなく、直径4ミリ―6ミリメートルと比較的小さいネジで使われていたセルフタッピングネジをより大きなネジに適応させるなど新技術の開発も想定する。24年度の早い段階で協業を実現したい考えだ。
メイドーは国内の自動車メーカー向けに高強度ボルトや冷間鍛造部品を手がける。足回りやエンジン向けなど直径10ミリ―16ミリメートルの太いボルトを得意としている。ただ、EVをはじめとした車の電動化や軽量化の進展により、中長期でみれば一定程度の部品供給数の減少が見込まれる。エジョットと連携することで、ギガキャストなどアルミダイカスト向け締結部品の開発・製造を加速する。自動車メーカーに部品を提案し、新たな受注につなげる。
一方、エジョットはドイツや米国の自動車メーカーなどに向け、ネジ山を刻みながら締結できるセルフタッピングネジや「フロードリリングスクリュー(FDS)」などの特殊な締結部品を提供している。同製品はギガキャストの接合部品としても活用できる。メイドーと組むことで日本市場のさらなる開拓を進める。
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日刊工業新聞 2024年01月24日