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前田建設と「兄弟関係」で相乗効果…インフロニアHDが日本風力開発を2000億円買収

準大手ゼネコンの前田建設工業を傘下に持つインフロニア・ホールディングス(HD)は12日、風力発電大手の日本風力開発(東京都千代田区)を買収すると発表した。再生可能エネルギー事業の強化が目的。2024年1月に米投資ファンドのベインキャピタルから2000億円超で全株式を取得する。同日開いた会見でインフロニアHDの岐部一誠社長は「一気通貫で再生エネ事業を展開できる唯一無二の企業グループとなる」と強調した。

会見する岐部社長

インフロニアHDは、前田建設工業のほか、前田道路、前田製作所が経営統合して21年に発足。建築や土木などの請負以外の分野を拡充する「脱請負」のビジネスモデルを推し進めてきた。今回の買収もこうした事業戦略の一環で、開発や運営・維持管理が得意な日本風力開発と、設計や建設に強みを持つインフロニアHDのノウハウ・技術を組み合わせることで競争力向上を図る。

買収後の体制については、前田建設など3社と「横並びの兄弟関係とする」(岐部社長)。人員の雇用も継続し、日本風力開発の開発力を活用しながら相乗効果を引き出していく。

日本風力開発は洋上風力発電事業に絡んで前社長が贈賄罪で在宅起訴されるなど、コンプライアンス(法令順守)の強化が課題となっている。こうした問題について岐部社長は「我々のガバナンスで十分に解消できる」との見通しを示した。

日刊工業新聞 2023年12月13日

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