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工作機械4社受注9カ月連続マイナスも、一部では設備投資の動き

工作機械4社受注9カ月連続マイナスも、一部では設備投資の動き

写真はイメージ

日刊工業新聞社が11日まとめた工作機械主要4社の11月の工作機械受注実績は、前年同月比14・8%減の296億6400万円となり、9カ月連続で前年を下回った。一方、前月比は2・2%増で2カ月ぶりに増加した。景気の先行き不透明感やインフレの影響などから設備投資の様子見が続くが、顧客によっては投資の動きが出ているようだ。(総合3参照)

工作機械主要4社 11月受注実績

4社合計の国内は前年同月比24・1%減と、13カ月連続で減少。輸出は同10・7%減と3カ月連続で減少した。前月比では国内が0・2%増と3カ月ぶりに増加し、輸出は3・0%増と2カ月ぶりにプラスとなった。

オークマは国内外で中小企業を中心に設備投資の様子見の影響を受けた。「景況感から設備投資に踏み切れない顧客がいるほか、中国では資金繰りが改善しないケースもある」(営業部)という。一方、大手企業では計画通り設備投資を進める顧客が多く「米国では航空機や電気自動車(EV)向けなどで受注が続いている」(同)。

牧野フライス製作所は国内が半導体製造装置向けなどで受注があった前年と比べ低迷した。輸出は、中国で電気自動車(EV)向けなどで動きがあり、前年比ほぼ横ばい。米国は「インフレの影響などで自動車向けが低調だが、航空機向けで動きがあった」(経営企画室)。

芝浦機械は国内で「造船向けに門型マシニングセンター(MC)や立旋盤といった大型工作機械の受注があった」(広報・IR部)。一方、海外では中国で照明装置関連向けに超精密加工機を受注したが、風力発電向けに大型機の減少などがあり低調だった。

ツガミは受注総額が5カ月ぶりに70億円を上回ったが、前年同月比では減少が続く。同社幹部は「全体的に受注の調整局面が続いているが、底割れの気配は感じられない」との見方を示した。


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日刊工業新聞 2023年12月12日

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