東芝・ロームのパワー半導体共同生産、経産省が最大1294億円助成へ
経済産業省は8日、東芝デバイス&ストレージ(川崎市幸区)とロームによるパワー半導体の共同生産事業に最大1294億円を助成すると発表した。東芝がシリコン系、ロームが炭化ケイ素(SiC)系を作り、互いに供給し合う。日本のパワー半導体は高い技術力や一定の世界シェアを有すが、個社では海外の上位企業に劣る。協業で世界に伍する規模を実現すると同時に、国内の基盤強化と供給力の安定化を図る。
総投資額は3883億円。東芝子会社の加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)が建設中の新工場で、2025年3月からシリコンパワー半導体の生産を始める。生産能力は直径300ミリメートルウエハー換算で年42万枚。ローム子会社のラピスセミコンダクタ(横浜市港北区)が稼働開始を予定する宮崎県国富町の工場では、直径200ミリメートルのSiCウエハーを25年1月から、SiCパワー半導体を26年4月から作る。生産能力はそれぞれ年71万枚と同72万枚。
8日会見した西村康稔経産相は「国際競争力を高めるには国内パワー半導体企業の連携が必要だ」とし、他の企業についても協業や再編を促す考えを示した。
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日刊工業新聞 2023年12月09日