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車1台で遠隔診療・患者移送、ソフトバンク・トヨタ出資会社が実証

車1台で遠隔診療・患者移送、ソフトバンク・トヨタ出資会社が実証

三重県鳥羽市の実証運行で使用する車両。オンライン診療と患者移送サービスを1台で担う

モネ・テクノロジーズ(東京都千代田区、清水繁宏社長)は、三重県鳥羽市などと共同で、オンライン診療と患者移送サービスを1台の車両で担う実証運行を18日に始める。慢性疾患などで地域の診療所や、その分室に通院中の患者が対象。曜日や時間帯で用途を分け、受診機会の増加と車両の稼働率向上を目指す。実証は2024年3月末まで続け、車両を効率的に活用した新たな医療体制の実現可能性を検証する。

実証には遠隔診療支援システムを提供するセコム医療システム(東京都渋谷区)、医療機器のウィーメックス(同)、車両を運行する三重近鉄タクシー(三重県四日市市)も参加する。

実証は鳥羽市内の石鏡地区と今浦地区が対象。事前予約した患者の自宅近くに、オンライン診療に必要な機器を搭載した車両が出向く。患者は同車両内で、遠隔の医師によるオンライン診療を受けられる。対面での診療を希望する患者については、同車両が「移動の足」となり診療所に移送する。

同市では高齢により運転免許証を返納し通院が難しい人への対応や、医師の業務効率化が課題となっている。移動診療と患者移送という複数の機能を1台で担う「マルチタスク車両」の実証を通じ、こうした地域課題の解決を目指す。

モネ・テクノロジーズはソフトバンクトヨタ自動車などが出資するモビリティーサービス開発会社。

日刊工業新聞 2023年12月08日

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