スズキ「新型スペーシア」が採用、日鉄の冷延超ハイテン材が実現した性能
日本製鉄は、1470メガパスカル級の冷延超高張力鋼板(超ハイテン)が、スズキの軽ハイトワゴン「新型スペーシア」の一体成形型の軽量Aピラー(フロントの柱)に採用された。
軽量Aピラーは日鉄とスズキ、部品メーカーのベルソニカ(静岡県湖西市)が共同開発した。窓枠部分は従来、590メガ―1180メガパスカルのハイテンを使う五つの部品で成形・溶接していたが、高加工性の冷延1470メガパスカル級材で成形深さが深い絞り部品を実現した。
ハイテンは引っ張り強度が高まるほど、加工性が劣るとされてきたが、緻密な成分設計と組織制御で強度と加工性を両立させた。
静的な負荷応力による遅れ破壊やスポット溶接性の技術課題などをクリアし、軽量化とそれに伴う二酸化炭素(CO2)排出量の削減、使用金型数の削減にこぎ着けた。
日刊工業新聞 2023年12月05日