清水建設は鉄骨造建物の梁（はり）のウェブ（側面部分）にスチフナと呼ばれる鋼製の補剛材を部分補剛することで、ウェブを薄肉化して鉄骨量を減らす補剛工法「エコウェブ工法」を開発した。従来工法比で最大３０％縮減でき、コストダウンにつながる。

鉄骨造の建物に使用する鉄骨梁は、鉄鋼メーカーの既製品が多くを占める。その大半は全断面が同形状で、中央部などでは求められる耐力以上の性能を有することが多い。このため大規模建築物では鉄骨量の縮減方法の一つとして、鉄骨中央部の部材の合理化がテーマとなっていた。

開発したエコウェブ工法では、柱梁の生産工場で鉄骨梁のウェブ部分の両端部に板状のスチフナを溶接。地震時に応力が集中する梁端部のみを部分的に補剛することで梁全体の要求耐力と変形性能を確保する。

従来はウェブ全体を厚くし、梁の要求耐力や変形性能を確保していた。対象建物の梁断面形状や梁の長さに応じて、梁両端部の梁材軸方向に並行して数カ所にスチフナを溶接することで、鉄骨梁の合理化を図れる。