「アンモニア専焼バーナー」火力発電所に国内初適用へ…三菱重工が試験成功
三菱重工業は火力発電ボイラでのアンモニア利用技術として、アンモニア専焼バーナーの試験に成功した。総合研究所長崎地区(長崎市)の燃料消費が毎時0・5トンの試験設備で、専焼試験や石炭との高混焼試験での安定燃焼のほか、石炭よりも窒素酸化物(NOx)排出を抑制できることを確認した。今後は同4トンの試験設備で、実機サイズのバーナーを使って燃焼試験を実施する。
アンモニアの安定燃焼とNOx抑制を同時に実現するバーナーの基本構造を確認でき、火力発電ボイラの実用化に前進した。実機サイズの燃焼試験で成果を挙げ、2024年度までに専焼バーナーを開発し、国内外の火力発電所に適用することを目指す。
アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、火力発電の脱炭素燃料として期待されている。
日刊工業新聞 2023年12月04日