ドコモ・au・ソフトバンク…全社増収営業増益の携帯会社、新料金プラン好調
携帯通信3社の2023年4―9月期連結決算は、全社が増収営業増益となった。新たに投入した携帯通信料金プランが好調に推移。企業のデジタル変革(DX)需要を取り込んだ法人事業や、スマートフォン決済などの金融事業も業績をけん引した。金融事業では、24年の少額投資非課税制度(NISA)拡充を踏まえたサービス強化の動きが目立つ。金融をはじめとする非通信事業と携帯通信事業の相乗効果を確立できるかが収益拡大のカギを握る。
NTTドコモの井伊基之社長は、7月に投入した「irumo(イルモ)」などの新料金プランについて「狙い通りの成果を得ている」と自信を示す。高価格帯プランへの移行が進み、クレジットカード「dカード」など主要サービスの契約率も向上した。
金融事業では10月にマネックス証券の連結子会社化を発表。企業マーケティング支援に強みを持つインテージホールディングス(HD)の買収も完了した。「サービス強化とデータ活用の掛け合わせで事業成長を加速する」(井伊社長)。
ソフトバンクはスマホの累計契約数が3000万を突破した。宮川潤一社長はスマホ決済「PayPay(ペイペイ)」のポイント付与率が増える携帯通信の新料金プラン「ペイトク」について「無制限(にデータ通信を使える)プランが好調だ」と説明。ペイペイや電力、光回線といった自社グループのサービスを複数利用する契約者の7―9月期のスマホ解約率が未利用契約者の3分の1に抑えられたなど、連携効果を強調する。
KDDIの高橋誠社長は、金融関連サービスの優遇が受けられる携帯通信の新料金プラン「auマネ活プラン」について「順調な滑り出しを見せた」と話す。9月に新規加入や機種変更で「使い放題MAX」を選んだ利用者の3分の1が同プランに加入した。携帯電話販売店「auショップ」などでのクレジットカード「auPAYカード」の9月の加入率が前月比約2割増になった。