自動車部品の生産能力増強、柴田工業が1000トンプレス機導入
工程短縮で受注回復対応
柴田工業(愛知県西尾市、柴田高広社長)は、本社工場に400ミリメートルストロークの1000トンプレス機を導入した。エンジン部品などの工程短縮、生産能力増を図る。合わせて長尺製品の新規受注を目指す。投資額は本社工場の改修工事も含め3億5000万円程度。同社の自動車部品の受注は現在、コロナ禍前まで回復している。今後も自動車の増産基調が続くとみて、積極的な設備投資に乗り出す。
柴田工業はエンジンやミッション部品を金型部品から鍛造、切削加工、熱処理まで一貫生産を手がけ、全事業の売り上げの80%以上を占める。「2023年度下期から24年度にかけては、さらに受注増を見込むことができる」(柴田社長)とし、エンジン系センサー部品、ブレーキ部品などの生産能力を増強した。
新たに導入した1000トンプレス機を用いて、800トンの2―3機で行っていた鍛造を集約。さらにこれまで800トンプレス機1機で鍛造していた長さ200ミリメートルの加工対象物(ワーク)の加工も1000トンでできるようストロークを400ミリメートル確保した。
同社はコンピューター数値制御(CNC)旋盤への投資もしており、24年度に向けて23年度比で20%程度の生産能力増に結び付ける。今後はモーターシャフトや電磁式駆動部品、インバーターなどの大型、長尺部品の受注獲得を強化。さらには「空飛ぶクルマ」の駆動系部品などの受注にも結び付ける考え。
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日刊工業新聞 2023年11月09日