CT画像で膵臓がん検出、富士フイルムがAI技術実用化へ
富士フイルムは神戸大学と共同で、人工知能(AI)技術を活用して腹部の非造影コンピューター断層撮影装置(CT)画像から膵臓(すいぞう)がんが疑われる所見の検出を支援する技術を開発した。造影剤を使用しないため、一般的な検診や人間ドックでも膵臓がん患者を見つけ出し、早期治療につながることが期待できる。数年以内に実用化を目指す。
共同研究では約1000人の非造影CT画像をAIに学習させ、膵臓がんの所見を検出する技術の開発に成功。造影剤を使って撮影したCT画像に比べて不明瞭な非造影CT画像にも対応し、人間ドックなどで活用することでより初期段階でがんを見つけ、治療につながると期待される。
膵臓がんは、初期には自覚症状が出にくく早期発見が難しい。自覚症状が現れた段階では進行がんとなっているケースが多いため、診断されてから5年後の相対生存率は12・5%と低いといった課題があった。
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日刊工業新聞 2023年11月7日