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本格回復にほど遠い…メモリー半導体振るわず装置需要が低調

9月の販売高は前年同月比21・6%減の2987億3800万円

日本半導体製造装置協会(SEAJ)がまとめた日本製半導体製造装置の9月の販売高(速報値、7―9月の3カ月移動平均ベース、輸出含む)は前年同月比21・6%減の2987億3800万円だった。メモリー半導体が振るわず、装置などの関連投資も低調だった。メモリー需要は足元で底を打ったとの見方があるものの、本格回復にはほど遠い。半導体装置の販売も年度内に力強さを回復するのは難しい模様だ。

前年同月割れは4カ月連続。世界景気の鈍化を背景にスマートフォンやパソコンなどの販売が停滞し、これらの用途が6割超を占めるメモリー需要も伸び悩んだ影響を受けた。

メモリーのうちDRAMは人工知能(AI)向けなどの特需で足元で回復基調にあり、NAND型フラッシュメモリーの市況も年内には底打ちするとの観測があるが、V字回復には遠い。半導体装置需要の反転も近いと見られるが、底打ち後の回復は緩やかにとどまる模様だ。


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日刊工業新聞 2023年10月25日

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