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2次元コード改札・有料座席…阪急電鉄がサービス向上であの手・この手

2次元コード改札・有料座席…阪急電鉄がサービス向上であの手・この手

2次元コード対応改札機の全駅導入などでサービス向上を図る

阪急電鉄は2024年度までに2次元コード対応改札機を全駅で導入するほか、24年夏に京都線で同社初の有料座席サービスを始めるなどサービス向上を図る。人工知能(AI)認識技術を活用して車両ごとの混雑状況を確認できるアプリケーションの導入も検討しており、25年の大阪・関西万博や30年開業予定の統合型リゾート施設(IR)を見据えて利便性を高め、鉄道の利用増につなげる。

2次元コード改札機の導入により、スマートフォンなどでの乗車が可能になる。混雑状況もスマホで確認できれば分散乗車を促せ、快適な乗車につながる。有料座席は京都線に導入する新型特急車両「2300系」で始める。

阪急電鉄は新サービスを計画する一方で、需要変動に対応したサービスの見直しも進めている。混雑率がコロナ禍前と比べ低下しているのを受け、朝の通勤・通学ラッシュ時の特急の増結を取りやめた。終電の時間も繰り上げた。サービスの見直しにより、乗車人員を23年度末までにコロナ禍前の18年度比95%程度に戻す計画。

また沿線活性化では、ターミナル駅である大阪梅田駅のある大阪市街地の梅田地区で、親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)が国際交流拠点化を目指している。東京・渋谷のスクランブル交差点や米ニューヨークのタイムズスクエア前のような“街の顔”を造るほか、同地区で発展している地下街だけでなく地上も歩きたくなる街を目指し、地域の発展と新たな需要創出につなげる。

インバウンド(訪日外国人)対応では、新幹線駅や空港とのアクセス向上を図る。新大阪駅から十三駅を経由してJR大阪駅の地下駅「大阪駅(うめきたエリア)」につながる連絡線の建設や、地下駅で接続するなにわ筋線を通って関西国際空港までの直通列車を検討している。大阪国際空港への新線建設も視野に入れ、関西の発展につなげた事業成長を目指す。

日刊工業新聞 2023年10月25日

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