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うまい棒を棒状のまま壊さず持ち運べる…携帯ケース、ふるさと納税返礼品にする狙い

うまい棒を棒状のまま壊さず持ち運べる…携帯ケース、ふるさと納税返礼品にする狙い

やおきんとコラボして開発したうまい棒の携帯ケース

アルミ加工でBツーC

アクテック(大阪府枚方市、芦田知之社長)は、人気菓子のアルミニウム製携帯ケースで枚方市ふるさと納税返礼品の事業者登録をした。菓子メーカーと協業し開発したBツーC(対消費者)製品で、アルミケース事業の技術力を訴求する。寄付金額を決定後、11月までに出品する。同社の主力は精密機器収容ケース。多様な販路に挑みマーケティング力を培い、事業の活性化や営業力強化を目指す。

アクテックが返礼品として出品するのは、やおきん(東京都墨田区)のロングセラー菓子「うまい棒」の携帯ケース。頑丈で軽く、うまい棒を棒状のまま壊さずに持ち運べる。子ども用に遊び心あるアイデア商品として発案し、やおきんの許可を得て開発した。クラウドファンディング(CF)で購入支援者を募ると、7月までに78人が支援し151万円売り上げた。

販路を広げるため返礼品にも挑戦する。枚方市のキャラクター「ひこぼしくん」、枚方市の読み方を伝える標語「マイカタちゃいます、ひらかたです。」、市の地域おこし策「ひらかた万博」をあしらった3通りを返礼品専用として製作する。表面アクリル板のレーザー加工や外装箱も枚方市の中小企業に発注し、「オールひらかた」返礼品として訴求する。

同社はアルミ加工が強みで、大手の精密計測器ケースなどBツーB(企業間)が売上高のほとんどを占める。これまでも茶器ケースなどでBツーCと脱下請けを図ってきた。しかし中小には市場調査や商品企画、宣伝、販売などマーケティングが壁だった。そこで大阪府の「プロ人材」制度を活用し、マーケティング専門家と業務委託契約を2022年に結んだ。商品開発チームを結成し価格設定や決済などの売り方も学び、携帯端末用ケースの電子商取引(EC)サイトも開設した。

芦田社長は「返礼品は100個受注できれば上々。互いに利益となる新たな協業先を見つけ、年1回はCFにもチャレンジしたい」と意欲を示す。

日刊工業新聞 2023年10月23日

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