東ガス・三菱重工・日産・パナなど参画…分散型電源拡大へ協会設立の狙い
電力・ガス会社や関連メーカー・システム会社など74社で構成する「エネルギーリソースアグリゲーション協会」(ERA)が設立した。再生可能エネルギーや大規模蓄電池などの分散型電源の活用を拡大する際にネックとなるさまざまな課題を洗い出し、国や関係機関に建設的な提言を行うのが目的。会長理事には、関西電力の子会社であるE―Flow(大阪市中央区)の川口公一社長が就任した。
都内で開いた設立総会前の会見で、川口氏は「これまで1社で制度改正を要望してもなかなか声が届かなかった。まずは系統用の蓄電池の制度が定まっておらず、10月中に作業部会を招集して提言につなげたい」と意欲を示した。
分散型電源はカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現や電力の安定供給に貢献する。しかし、電気事業制度は火力発電をはじめとした既存電源を前提に市場設計されており、活用の浅い再生エネや蓄電池などの分散型エネルギー資源にとって厳しい要件が多い。
加えて、2022年4月に電気事業法で規定された「特定卸供給事業」(アグリケーション事業)を行う事業者が8月時点で57社に増加。同事業者を中心に新たに団体を設立することで、分散型電源拡大の事業環境を整備することにした。
参加したのはこのほか、アグリゲーター資格を持つ正会員が、Jパワー、中国電力、東北電力、東京ガス、大阪ガス、出光興産、三菱重工業、丸紅新電力など23社。これに加えて伊藤忠商事、京セラ、住友商事、住友電気工業、豊田自動織機、日産自動車、パナソニック、日立製作所、富士通、北海道電力、ホンダ、三菱商事、三菱電機など51社が賛助会員として参加した。
日刊工業新聞 2023年10月10日