VAIOが消費者からパソコン直接買い取り、リユース販売で買い換え需要喚起
VAIO(長野県安曇野市、山野正樹社長)は、消費者を対象としたパソコン(PC)の買い取りサービスを始めた。回収したPCの一部を自社工場で整備後、電子商取引(EC)サイトで販売する。PCの再利用を促進することで廃棄量を減らし、環境負荷の低減に貢献するほか、買い替え需要の喚起にもつなげる。VAIO製の全てのPCを買い取り対象とし、2023年度内には月間100台を販売可能な体制を構築する計画。
VAIOのECサイトで申し込みを受け付ける。PCの回収や査定の作業はデジタルリユース(東京都品川区)が行う。買い取りに当たって消費者に手数料はかからない。買い取り価格はPCの状態などにより変わる。
回収したPCのうち、20年1月以降に発売した機種を中心にVAIOが引き取る。VAIOの安曇野本社工場(長野県安曇野市)で天板やキーボード面、バッテリーなどを新品と交換し、リユース(再利用)PCとして販売する。リユースPCの価格は新品と比べて6万―10万円ほど安く設定する方針。購入後から1年間のメーカー保証も付ける。
VAIOは使用済みのPCを整備して個人向けに販売する「認定整備済PC事業」を8月に始め、自社のPC「SX14」などを取り扱ってきたが、台数の確保が課題となっていた。買い取りサービスにより、安定した調達につなげる。
25年度にはリユースPCの販売先を法人にも広げる方針。実際に「法人顧客からの問い合わせも増えてきた」(パーソナル営業本部認定整備済PC事業室の大石辰也室長)。25年度に販売台数を月間1000台に引き上げる計画だ。
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日刊工業新聞 2023年09月27日