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物流工程7割を自動化、椿本チエインが投入する「3次元走行台車システム」の実力

物流工程7割を自動化、椿本チエインが投入する「3次元走行台車システム」の実力

椿本チエインが発売する3次元台車利用の物流システム「TーAstroX(アストロクス)」

椿本チエインは独自開発した3次元走行台車を組み込んだ物流システム「T―AstroX(アストロクス)」を10月1日に発売する。入庫から保管、出庫、ピッキングまで対応し、物流工程全体における約7割の作業を自動化できる。人が作業するワークステーションと専用棚、走行台車でシステムを構成し、価格は都度見積もり。マテハン事業の戦略製品に位置付け、物流センターや製造工場向けに2024年度に4システムの販売を目指す。

3次元走行台車はフランス製などの海外製品が多いが、椿本チエインは設計から制御、外観デザインに至るまでを自前で手がけた。製品サイズは長さ950ミリ×幅720ミリ×高さ455ミリメートルで、30キログラムまでの搬送物に対応する。自動充電もできる。

生産は埼玉工場(埼玉県飯能市)で行う。カスタマイズ性やサービス対応の面で海外製品と差別化を図る。

今回の物流システムは標準品でワークステーションが3セット、棚は3240ケースと設定。走行台車の台数はユーザーの要望に応じて決める。台車が床、棚間を自律走行し商品を作業者の手元まで搬送するため、作業者は定点作業が可能だ。棚からケースを出し入れする処理能力は1時間当たり最大1200ケースで、同社の既存自動倉庫に比べ約3倍という。

物流2024年問題や人手不足を背景に、効率的な物流システムが求められている。椿本チエインはトレー式仕分けシステムで国内シェア7割を誇るが、自動化を突き詰めて、より作業負担を減らせるシステム開発に力を入れている。

日刊工業新聞 2023年09月26日

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