仕事と育児の両立支援制度、未だ浸透せず。原因と対策は?
連合がまとめた2023年の「仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査」によれば、両立支援制度を利用したことがないと回答した人は、男性が58・4%、女性が37・2%にのぼった。両立支援制度を積極的に利用する状況になっていない実態が浮き彫りになった。
両立支援制度を利用したことがない理由について、複数回答で尋ねたところ、「利用できる職場環境ではなかった」が最も多い42・3%で、次いで「所得が下がる」が19・7%、「制度があるのを知らなかった」が17・4%で続いた。
また、政府が進める「共働き・共育て」を実現するには、どのようなことが効果的かを尋ねたところ、「育児休業給付金の増額」が最多の32・6%だった。金銭面での支援が手厚くなることで「共働き・共育て」が進むと考えている人が多い。次いで「フレックスタイム制の導入」が30・9%、「テレワーク制度の導入」が27・0%と続いた。
同調査は連合が8月に、小学生以下の子どもがいる20代から50代までの男女各500人を対象に実施した。
連合の井上久美枝総合政策推進局長は「男性はいまだに育休などを取得しづらい環境がある。性別にかかわらず制度を利用したい人がきちんと利用できるような制度改正が必要で、そのための議論をしたい」としている。
日刊工業新聞 2023年09月19日