ソニーG、多様な人が関わる「インクルーシブデザイン」強化
ソニーグループは14日、商品やサービスの企画・開発段階から高齢者や障がい者を含む多様な人々が関わることで使いやすくする「インクルーシブデザイン」の導入を強化すると発表した。社員モニター制度を設置して多様な社員の意見を反映させるほか、障がい者雇用の特例子会社と連携した新入社員研修を実施する。2025年度までにすべての製品やサービスの商品化プロセスに同デザインを取り入れる方針だ。
同日開いたサステナビリティー説明会で示した。神戸司郎執行役専務は「障がい者や高齢者にソニー製品を使ってもらう新しい顧客開拓につながるとともに、そういう人たちのことを学ぶことで商品の使いやすさなどに生かせる」と説明した。
同デザインの取り組みとして、ソニーGは8月発表のフルサイズミラーレス一眼カメラの操作に「音声読み上げ機能」のほか、メニュー画面の拡大表示機能を搭載した。また視覚に障がいのある人向けにカメラが捉えた景色を網膜に直接投影する世界初のカメラキットを3月に発売した。
一方、20年に10億円規模で立ち上げた環境関連に特化したコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の実績も公開し、6社に計3億円を出資したことを明らかにした。そのうちの1社であるバイオマス梱包材を開発する米クルーズフォームの技術をソニーGの商品に活用することも検討する。
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日刊工業新聞 2023年09月15日