7月は16.6%減…黒物家電の国内出荷額が低迷する背景
電子情報技術産業協会(JEITA)が28日に発表したテレビなどの黒物家電を主とする民生用電子機器の7月の国内出荷額は、前年同月比16・6%減の886億円で5カ月連続で減少した。JEITAは、物価高による消費者の購買意欲の低下のほか、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う、旅行といったレジャーへの需要が急増したことが背景にあるとみる。
テレビを含む映像機器の出荷額は、同17・6%減の420億円だった。単価が高い50型以上の薄型テレビの出荷台数が同15・4%減の14万3000台と振るわなかったことが、映像機器全体の出荷額が減少した主な要因とみられる。
薄型テレビ全体の出荷台数をみると、同16・8%減の33万8000台となった。29型以下が同17・7%減の3万3000台、30―39型は同18・4%減の6万4000台、そして40―49型は同17・5%減の9万8000台。全ての大きさで2022年7月と比べて減少した。
また映像機器以外では、カーナビゲーションシステムを含むカーAVC機器の出荷額が同15・1%減の414億円。オーディオ関連機器は同19・8%減の53億円となった。
一方、外出機会の増加に伴い、デジタルビデオカメラの出荷台数は同68・7%増の1万2000台に増えた。ただ、コロナ前の19年7月の出荷台数が3万台だったことを踏まえると「コロナ禍で需要が落ち込んだ22年7月からの反動」(JEITA)との見方もできる。
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日刊工業新聞 2023年月8月29日