CASE対応で増産、パイオラックスが101億円投資
パイオラックスは2023年度内の稼働に向けて建設中の新真岡工場(栃木県真岡市)について、第2期工場を24年度中に着工し、25年度に稼働する。隣接する既存工場から生産を移し、車載バッテリー周辺部品などCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応製品の生産を増やす。生産能力は26―27年度に現状比3割程度増える見通し。デジタル技術や新型設備を活用する次世代型工場とし、生産性を同2倍に引き上げる。
現在の真岡工場は1970年稼働で老朽化が進んでおり、大型の生産設備などを導入するのに制約があるため、隣接地に新工場を建設し、生産移管と能力増強を図る。新真岡工場の敷地は既存の真岡工場敷地より広く、第2期完了時点の延べ床面積は約2万8700平方メートルとなる計画。23―25年度の投資額は101億円を見込む。
第1期工場は24年1月以降に稼働予定で、既存工場から樹脂製品の生産を移す。大型の次世代型成形ラインなどを導入し、ファスナー部品のほか、先進運転支援システム(ADAS)向けの樹脂製ブラケットなどCASE関連製品の生産にも対応する。
第2期工場には金属部品の生産を移す。立体的な金属曲げ加工に対応する設備などを導入し車載バッテリー向けバスバーなどを効率良く生産する。
新真岡工場の生産設備は人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)技術を活用した自動化ラインを採用。
デジタル変革(DX)に取り組んで、30年に生産性を現状比2倍に高め、生産効率の高いグローバルマザー工場とする計画だ。
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日刊工業新聞 2023年08月09日