国内設備投資が20%増20兆円に、大幅伸長した分野は?
日本政策投資銀行が3日にまとめた2023年度の大企業の設備投資計画調査で、全産業の国内投資計画が前年度実績比20・7%増の20兆6152億円となった。22年度から先送りされた投資に加え、半導体の製造能力増強や電気自動車(EV)への投資が大幅に伸び、製造業、非製造業ともに2年連続で増加した。「コロナ禍前の19年度の投資水準を超えて、一段と拡大する」(産業調査部)見通しだ。
製造業の23年度の計画は同26・5%増の7兆5243億円。半導体などの部品供給制約の緩和で、自動車が同27・1%増と高い伸びを示している。半導体や自動車向けの需要期待が引き続き高いことなどから非鉄金属が同2・5倍と大幅な増加を計画。車載需要に向けた大型投資が継続し、電気機械が同25・3%増と3年連続で増加している。自動車の電動化や半導体関連の能力増強で一般機械は同12・4%増となった。
非製造業は同17・6%増の13兆908億円。安全対策や輸送力増強が進む運輸が同31・1%増と牽引した。大型のビジネス拠点開発が進む不動産が同16・2%増となった。
6月23日を期限に資本金10億円以上の大企業1706社から回答を得た。
【関連記事】 世界の半導体工場で、揺るぎない信頼を集めるクリーン搬送装置
日刊工業新聞 2023年08月04日