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面積78%減、ロームが開発したウエアラブル機器向け近接センサーの全容

面積78%減、ロームが開発したウエアラブル機器向け近接センサーの全容

ロームが開発した小型近接センサー「RPR―0720」(同社提供)

ロームはワイヤレスイヤホンなどのウエアラブル機器向けに、従来品より製品面積を約78%削減した小型近接センサー「RPR―0720」を開発し、発売した。構造の最適化により小型化を実現した。センサー内の発光素子の入力電圧が幅広く、リチウムイオン電池(LiB)使用時でも昇圧回路が不要なことが特徴。アプリケーションの小型化や電池容量を増やすための実装スペース確保に貢献する。消費税抜きのサンプル価格は300円。

RPR―0720は光の反射を利用して状態検知する光学式センサーで、発光素子に垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)を、受光素子にはセンサーICを採用した。発光ダイオード(LED)より指向性の狭いVCSELを採用したことで、LEDを使った従来品より小型化できた。VCSELの入力電圧が2・7―4・5ボルトと広いことも特徴。LiBと併用する際でも発光素子用の昇圧回路を不要とした。

RPR―0720のサイズは縦2ミリ×横1ミリ×厚さ0・55ミリメートル。ウエアラブル機器の着脱検知のほか、プリンターやコピー機、シュレッダーをはじめとしたOA機器での紙検知や電子タバコのカートリッジ装着検知、液体検知といった幅広いアプリケーションの状態検知用途を想定する。RPR―0720の投入に合わせて、同製品の性能や機能などを確認できる評価ボードも発売した。

ウエアラブル機器では、高機能化による部品点数の増加やデザイン性の向上に対応できる小型センサーの需要が高まっているという。


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日刊工業新聞 2023年月7月25日

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