日立造船が独社からグリーンメタノール対応エンジン受注の背景
日立造船は舶用エンジンの生産でライセンスを受けている独MAN―ESから、グリーンメタノールに対応した二元燃料テストエンジンを1台受注した。受注額は非公表。日立造船の連結子会社である日立造船マリンエンジン(熊本県長洲町)が製造し、2024年9月に完成予定。同年内にMAN―ESと共同で陸上試験を行う。
MAN―ESは、複数の大手海運会社が所有する船舶に搭載された、重油焚きエンジン「S90ME―C型シリーズ」をグリーンメタノール対応の二元燃料エンジンに改造する契約を結んでいる。同型エンジンは主に大型コンテナ船の推進用主機関として用いられており、世界で300隻以上が就航する。
大型船向けの舶用エンジンを得意とし、MAN―ESのライセンシーとしてこれまでに約3000台を製造してきた日立造船の実績が評価され、受注に至った。
日立造船は25年度までの3カ年計画で、メタノールやアンモニア燃料に対応した次世代の舶用エンジンの開発を加速するために、約十数億円の投資を計画している。
日刊工業新聞 2023年07月24日