NTTデータGがM&Aに5000億円投資、北米で事業拡大
NTTデータグループは2022―25年度にM&A(合併・買収)に3000億―5000億円を投じる方針を明らかにした。北米での事業拡大などに充てる。産業分野や技術でシナジーを見込める企業を投資対象として想定する。30年度に北米におけるITサービスのシェアを22年度比約2倍の2%に引き上げる。シェア拡大で認知度を高め、受注増につなげる好循環をつくる。
1カ国で2%以上のシェアを獲得すると、ITサービス事業者としてトップ10入りすることが多く、政府や大企業からの提案依頼書(RFP)をもらいやすくなる。このため同社は16年から主要国で2%以上のシェア獲得を目指してきた。22年10月のNTTリミテッドとの統合効果により、統合前は7カ国だったシェア2%達成国数は、22年度に日本やタイ、南アフリカをはじめ26カ国に広がった。
北米ではIBMやアクセンチュアといった競合がひしめく。NTTデータグループによると、同社の米国でのITサービスのシェアは22年度に1・1%で25位。シェア増加にはM&Aによる事業規模拡大がカギを握るとみられる。
NTTデータグループは北米において、産業分野では公共や金融、製造など、技術ではクラウドや人工知能(AI)といった自社が強みを持つ領域でシナジーを期待できる企業をそれぞれM&Aの対象と見込んでいる。
本間洋社長は「オンリーワンの領域を増やす。海外事業では稼ぐ力を高める『質を伴った成長』を重視する」としている。
日刊工業新聞 2023年07月13日