ニュースイッチ

ホンダ・大学研究者つなぐ、tayoのサービスが目指すモノ

tayo(横浜市金沢区、熊谷洋平社長)はホンダの人材育成プログラム「Honda IGNITION Studio」に、大学などの研究者を副業人材として紹介するサービスを始めた。大学の人材・最先端技術とホンダ社員のアイデアを融合することで、社会的起業の創出などを目指す。ホンダは社員が大学研究者から刺激を受けることを期待する。

tayoはホンダに、大学の研究者によるセミナーを提供。その上で副業人材の協業や、研究室を通した産学連携を検討する。テーマはエネルギー、安全運転学習、高齢者の見守りや移動支援、農業のデジタル変革(DX)などの予定。

tayoの研究者紹介サービス「tayo collaboration」第1弾。組織型の産学連携と比べ、大学人と企業人が気軽に交流できる点が特徴だ。同社は研究人材の参加型交流サイト(SNS)を運営しており、700人以上の若手研究者とネットワークを持つ。


【関連記事】 ホンダが新しいクルマ作りで必ず頼りにする機械メーカー
日刊工業新聞 2023年07月03日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
tayoが大学の研究者(同社のSNSユーザー)らに調査したところ、同事業への参加希望はかなり高いという。大学教員は企業人に比べ、給与アップの昇進機会が限られているし、研究費は潤沢でも個人収入メリットはないためだという。気になるのは、所属大学の肩書きを使っての副業で、トラブルが生じた場合だ。その点はtayoが間に入るというのが、企業側にも研究者側にも安心なのではないだろうか。

編集部のおすすめ