エアコン生産国内回帰、パナソニックが100億円投資
パナソニックは日本の住宅向けルームエアコンなど空質空調システム機器について、研究開発と生産の国内回帰を進めると発表した。2023年度下期中に草津工場(滋賀県草津市)内にエアコンの自動化ラインを2ライン新設し、手動の1ラインを自動化に改造。中国の広州工場から日本向け高級・中級モデルの生産を移管する。草津工場のエアコンの生産能力は約3―4倍となり、受注から納品までのリードタイムは約4分の1に短縮する。投資総額は約100億円。
消費エネルギー実質ゼロの住宅(ZEH)向けの研究開発機能も強化する。草津工場に6月完成した新棟に時間や季節に応じた温度変化を再現する性能試験室や、高気密・高断熱のZEH住宅を再現できる住環境試験室などを24年3月までに整備する。
道浦正治空質空調社社長は「国内中核拠点の草津工場を強化したい思いがあった」と説明。「新棟で実使用に近い環境で開発ができる」利点を挙げ、欧州などで進めてきた地産地消体制を日本向けでも構築する。
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日刊工業新聞 2023年06月23日