標高9000m相当浮遊に成功、火星で飛行するロボット開発へ一歩
信州大学の青野光准教授らは、地上の3分の1の大気密度でハチドリロボットを浮かせることに成功した。標高9000メートルに相当する。羽ばたきを調整し飛翔生物に近い回転角変化が実現できた。さらに大気の薄い火星で飛行するロボットの開発につなげる。
機体重量12・95グラムの無尾翼羽ばたきロボットを開発した。通常モデルよりも翼長を約1・6倍長くした。羽ばたき周波数は半減させる。振幅を大きく、ゆっくり羽ばたくと、薄い大気中でも揚力を発生させられた。減圧した風洞の中で羽ばたかせると離陸できた。
機体は有線給電で電池は搭載していない。火星などの大気が薄い環境では回転翼や固定翼は不利になる可能性があるとして、羽ばたき型の機体を開発している。
日刊工業新聞 2023年月6月20日