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年2000万キロワット時に…東京製鉄が太陽光発電量を倍増させる

年2000万キロワット時に…東京製鉄が太陽光発電量を倍増させる

太陽光発電設備を増強する田原工場(愛知県田原市)

東京製鉄は全国4工場での太陽光発電量を年2000万キロワット時程度に倍増させる。主力拠点の田原工場(愛知県田原市)で2024年夏までに総額約16億円を投じて太陽光発電設備を増強し、現状で年660万キロワット時の発電量を2・5倍の年1660万キロワット時に高めることで実現する。外部から調達する電力コストを抑えられるほか、二酸化炭素(CO2)排出量と生産コストの低減にもつなげる。

東京製鉄は電炉系鉄鋼大手で、鉄スクラップの有効活用によって資源循環に取り組む一方、生産時の脱炭素化に注力している。この一環で21年に、全国4工場において自社での消費のため太陽光発電を始めた。

田原工場では現在、最大発電出力5メガ(メガは100万)ワットの太陽光発電設備を持ち、屋根置きパネルでは国内最大級。計画では、23年夏までにまず約3億円を投じて最大発電出力を1・5メガワット増強。24年夏までには約13億円追加投資し、地面に架台を設ける野立て式パネルを置き、同6メガワット増強して合計12・5メガワットにする方針だ。

こうした取り組みによって実現する年間総発電量1660万キロワット時は一般家庭約7590世帯分の電力に相当する。同工場で使う電力の2%程度に相当し、年間CO2削減量は累計約7380トンとなる見通しだ。

同社は「太陽光の規模としては大きいが、全体の排出量に占める削減の割合はわずか」としている。

田原工場以外でも太陽光発電の導入を進めており、岡山工場(岡山県倉敷市)、九州工場(北九州市若松区)、宇都宮工場(宇都宮市)の3カ所の年間発電量は計370万キロワット時だという。

日刊工業新聞 2023年月6月13日

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