生産能力1.4倍…東レが車載コンデンサー用フィルム増強
東レは、車載コンデンサー用フィルムの需要拡大に対応するため、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム「トレファン」の生産能力を増強する。東レ土浦工場(茨城県土浦市)に生産設備を増設し、車載コンデンサー用フィルムの生産能力を現行比1・4倍に引き上げる。設備は2025年稼働開始予定で、投資金額は明らかにしていない。能力増強に伴って、請負も含め約20人の新規雇用も予定している。
トレファンはプラスチックフィルムの中でも軽く、強靱(きょうじん)性や電気特性、機械的特性に優れたフィルム。一般工業用や包装材料用にも利用される。主力用途のフィルムコンデンサーは、家電やIT機器向け電子部品のほか、電動化車両のモーターを駆動させるパワーコントロールユニット(PCU)のインバーター回路に使用されている。
東レによると電動化車両市場は、世界的に30年までに年率平均約20%の成長が見込まれているという。
東レは22年にも土浦工場で車載コンデンサー向けにトレファンの生産能力を拡大していた。
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日刊工業新聞 2023年06月09日