東レは１日、欧州における樹脂製品のマーケティング・販売会社であるドイツの東レレジンヨーロッパ（ヘッセン州）で、射出成形工程から廃出されるガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ）樹脂のリサイクルプロセスを確立したと発表した。

同プロセスを適用したリサイクル率５０％のガラス繊維強化ＰＰＳ樹脂は、バージン原料を用いた射出グレードと比べて９０％以上の機械強度を保持。カーボンフットプリント（ＣＦＰ）による算定で二酸化炭素（ＣＯ２）を約４５％削減できる。

今後、欧州の顧客を中心にサンプルワークを展開。リサイクル素材・製品の全社統合ブランド「Ｅｃｏｕｓｅ（エコユース）」シリーズの「“Ｅｃｏｕｓｅ”ＴＯＲＥＬＩＮＡ（トレリナ）」として、２０２３年下期からの販売を計画している。

同リサイクルプロセスは、委託加工パートナーで、高機能樹脂製品リサイクル・コンパウンド会社の独ＭＫＶと取り組んだ。 ガラス繊維強化ＰＰＳ樹脂は、難燃性や長期耐久性、耐薬品性に優れ、自動車、電機・電子など、さまざまな分野で使用される。

従来のリサイクルでは成形加工が繰り返されることでガラス繊維の長さが短く折損し、機械強度の大幅な低下が生じることから、リサイクル比率を低く抑える必要があった。