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クボタが「水素」でエンジン事業を再構築、脱炭素化で生き残りかける

クボタが「水素」でエンジン事業を再構築、脱炭素化で生き残りかける

クボタが開発を進める水素エンジンのプロトタイプ

クボタ水素エンジンを主軸にエンジン事業を再構築している。5月に千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「建設・測量生産性向上展」に水素エンジンのプロトタイプを出展し、建設機械関係者の反応を探った。開発にあたっては従来の燃費向上はもちろん、ハイブリッド化や燃料転換を基本方針に据えて、エンジンの脱炭素化で生き残りをかける方向性を打ち出す。

クボタは産業用エンジンの開発を手がけており、自社の農業機械や建設機械のほか、他社の産業機械向けにもエンジンを提供している。カーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向けてエンジンの脱炭素化が課題だが、クボタは燃費向上、ハイブリッド化、燃料転換の三つを軸に事業を再構築する方針だ。

現在、排気量3・8リットルの水素専焼型エンジンの開発に取り組んでおり、同エンジンを用いてデンヨーが水素専焼発電機の実用化を目指している。早ければ2025年にも製品がお目見えする予定だ。

クボタは水素エンジンのプロトタイプを米国の産業展示会にも出展し、来場者から反響があったという。エンジン事業推進部営業推進課の塩﨑孝太郎課長は、「(建設事業者や土木事業者らは)水素に関心を強く持っており、どこまで現実性があるかを探っている状態」と現状を捉える。

水素エンジンは異常燃焼などの課題もあるが、クボタは「25年までには解決できる」(塩﨑課長)とみる。エンジン単体の動作実験も始めるなど、実用化へ開発を加速する方針だ。


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日刊工業新聞 2023年06月09日

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