情報漏えい、サイバー攻撃への備えは大丈夫?三井住友海上「サイバー保険」見積もりサイトで喚起
三井住友海上火災保険はサイバー保険の簡易見積もりサイトを構築した。6月1日からGMOペイメントゲートウェイのホームページ上で運用をはじめる。サイバー保険は認知度が低く、中小企業の加入は進んでいないのが現状だ。10数万社の顧客基盤を抱えるGMOペイメントと組み、見積もりサイトを活用することで2年間で200件の契約を目指す。
新サイトは業種と直近の売上高をクリックすると、瞬時に概算の見積もりを出す。サイバー保険は、火災保険や自動車保険と比べ費用負担の目安が知られておらず、金銭的なハードルが高いとみて加入を遠ざける企業もある。中小企業の場合、サイバー保険の保険料は年10万円を切ることも多く、「新サイトで相場観をつかんでもらい、需要を喚起する」(三井住友海上)狙いがある。
現状のセキュリティー対策度合いに応じて、保険料が異なることがあるため実際に契約する際には、GMOペイメントが対面で正式な見積もりを出す。
GMOペイメントはクレジットカード決済やコンビニ決済など、多様な決済方法を選べる総合決済システムを通販・電子商取引(EC)事業者向けに提供する。三井住友海上の保険代理店も担う。
昨今の法改正でECなど個人情報を扱う事業者は情報漏えいやサイバー攻撃が起きた際に、個人情報保護委員会に報告義務が生じるなど責務が厳格化されているが、「備えが十分でない事業者が多い」(GMOペイメント)と見る。
サイバー保険は、外部へ報告するための調査費用やパソコンの復旧費用など幅広くカバーすることから、新サイトをてこにEC事業者に保険を周知し、加入を促す。
日刊工業新聞 2023年05月31日