プロテリアル（旧日立金属）は２３日、リチウムイオン二次電池（ＬｉＢ）正極材生産で、出発原料製造工程を省いて二酸化炭素（ＣＯ２）排出量を従来の固相反応法から２０％以上削減する技術を開発したと発表した。２０３０年ごろの顧客による量産化を視野に、電池・正極材メーカーにノウハウを供与する。

新技術は出発原料を製造する水酸化ニッケル工程を経ず、金属ニッケルのまま正極材を生産でき、欧州の厳しい環境規制に対応する。ＬｉＢ生産では多くのＣＯ２を排出。正極材の出発原料製造時の排出量が最も多いとされ、削減が課題だった。

同社は２２年、既存製法より希少金属のコバルトの使用を減らす固相反応法を確立し、ＣＯ２を削減する技術を段階的に開発している。