自動車産業のロボット稼働が100万台を超えた
世界で自動車産業の産業用ロボットの稼働台数が100万台に達した。国際ロボット連盟(IFR)がまとめた。全産業の産業用ロボット設置台数の約3分の1を車産業が占めた。世界最大の車市場の中国が車向けロボットの導入台数でも大半を占めけん引した。
中国車産業の産業用ロボットの新規設置台数は1年前と比べほぼ倍増し、2021年に6万1598台に達した。世界の車工場に導入されたロボットは11万9405台で、中国は52%を占めた。
従業員1万人当たりの産業用ロボットの稼働台数を示すロボット密度は、21年では韓国が最も多く2867台、ドイツが1500台で続き、日本は1422台で4位だった。世界最大の車生産国でもある中国のロボット密度は772台で導入を急拡大している。
IFRでは車産業が内燃機関(エンジン)車から電気自動車(EV)に移行している中で、「長年かけて確立された製造方法や技術から大転回を図るのに、ロボットによる自動化が役立っている」(同連盟幹部)とした。またEV普及に向け欧州、米国、中国などで政治的に高い目標が掲げられており、車産業は設備投資を迫られているとの見方も示した。
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日刊工業新聞 2023年04月21日