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次世代原子力システム支える、「3D免震」の実力

原子力機構が開発
次世代原子力システム支える、「3D免震」の実力

開発したユニット型3次元免震装置(1/2縮尺試験体=原子力機構提供)

日本原子力研究開発機構の山本智彦研究副主幹らは、多方向の地震を低減できるユニット型3次元免震装置を開発した。従来は主に水平方向の免震のみだったが、上下方向の地震力も低減する。設置の簡便さやメンテナンス性も高めた。ナトリウム冷却高速炉など安全性の高い次世代原子力システムへの適用のほか、精密機器工場やデータセンターといった一般建築物への応用も期待される。

原子力建屋下部に設置することで3次元の荷重を低減する。形状や寸法は従来の水平免震装置と同等で、ロッキング動を防ぐ付帯設備なども不要となるため、装置をコンパクトに配置できる。

2011年の東日本大震災規模の大きな地震でも原子炉の機能維持や健全性を確保できることを前提に設計した。積層ゴムが建物の重さを支える支持機能と水平方向の復元機能、皿バネが上下方向の復元機能を担う。

また、独自に開発した、従来品より許容速度を2倍以上に高めた高性能オイルダンパーにより水平方向の揺れを小さくする。繰り返し載荷試験では上下と水平の動作が独立し、安定した免震効果を確認した。

富山県立大学、東京電機大学、日本原子力発電、三菱FBRシステムズ(東京都渋谷区)、大林組などとの共同開発。

日刊工業新聞 2022年09月07日

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原子力機構の『価値』
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原子力といえば原子力発電がイメージされますが、燃料電池や自動車エンジンの開発にも貢献する基幹技術です。イノベーション創出に向け、「原子力×異分野」の知の融合を推進する原子力機構の『価値』を紹介します

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