ニュースイッチ

ホンダが自転車を進化させる!、スマホ連携で国内初の電動化・コネクテッド化新サービス

ホンダが自転車を進化させる!、スマホ連携で国内初の電動化・コネクテッド化新サービス

データを収集できる電動アシストユニットを搭載した自転車(野村氏㊧と青木氏)

ホンダは既製の自転車を電動アシスト化、コネクテッド化するサービスを始める。通信機能を備えた電動アシストユニットを自転車に取り付けることで、スマートフォンのアプリケーションから車両や走行情報を確認できる。データを分析することで、運転者やシーンに合わせて最適な出力に調整することも可能だ。事業を通じて蓄積したデータは4輪車や2輪車など既存事業に生かす。

「乗り手やシーンに最適な支援、機能を好みの車両で提供できるようになる」。29日、都内で開いた発表会で、プロジェクトリーダーを務めた研究開発子会社の本田技術研究所の野村真成氏は、新サービスの特徴をこう強調した。自転車の安全性、快適性の向上に向け「ハードを高価にすると手軽に移動したいというメリットが損なわれるため、ソフトウエアから進化させる」(野村真成氏)考えだ。

ホンダが始める新サービス「スマチャリ」は、コネクテッド機能によって位置や電池残量、車両状態などがスマホアプリで分かる。蓄積したデータを活用し、走行ルートの注意スポットを知らせることも可能だ。機能は随時、アップデートする。

スマチャリに対応する最初の自転車は、ワイ・インターナショナルが9月に発売する。自転車を電動アシスト化、コネクテッド化するサービスは国内初という。消費税込みの価格は22万円。年3000台の販売を目指す。

電動アシストユニットは同社の店舗で取り付ける。「今後、スマチャリに対応する車種を増やしていく」(同社マーケティング部の青木亮輔部長)方針だ。

同サービスはホンダが社員の起業を支援する制度「イグニッション」から生まれた。これまではホンダからスピンアウトしていたため、社内事業化するケースは初となる。ホンダは事故やブレーキなどの交通データを地図上で見える化するサービスを提供しており、今後スマチャリから集めたデータも活用できれば、精度をさらに高めることが可能となる。

野村氏は「データやコネクテッドを活用することで、自動車、バイクなどとの協調安全にもつなげたい」と将来を見据える。


【関連記事】 ホンダが新しいクルマ作りで必ず頼りにする機械メーカー
日刊工業新聞 2023年3月30日

編集部のおすすめ