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貸付社数は過去最高、日本公庫「CLOローン」のメリット

日本政策金融公庫による2022年度の貸付債権担保証券(CLO)ローンの貸付債権総額は、前年度比2割増の410億円となった。貸付社数は同1割増の1943社と過去最高となった。CLOは地域金融機関による中小企業向け無担保融資を証券化した金融商品。認知度が高まり、取引先の中小企業に対する資金繰り支援の継続や、国連の持続可能な開発目標(SDGs)対応を促したい地域金融機関の関心が年々高まっている。

22年度のCLOに参加した機関は前年度から16機関増え、39機関となった。このうち新規参加機関は四国銀行(高知市)など13機関だった。

取引先中小の資金繰り支援に加え、SDGsの重要性、取り組みを啓発する目的でCLOのスキームを活用する地域金融機関が増えている。

CLOは地域金融機関が取引先中小に実施する無担保融資について、日本公庫が地域金融機関との間で融資先が債務不履行になる信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)契約(一種の損失補填〈ほてん〉契約)を締結する。

日本公庫は特別目的会社(SPC)を設置して同様のCDS契約を結び、信用リスクのみSPCに移転。SPCが社債を発行し機関投資家から資金調達する。日本公庫と機関投資家が貸し倒れリスクの多くを保証する。

地域金融機関は低リスクで取引先への提案力を高めることができる。一方、中小は地域金融機関を通じ無担保・第三者保証なしで融資を受けられるメリットがある。

日刊工業新聞 2023年3月23日

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