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電解質膜を高速量産、東京ガスとSCREENが水電解装置を低コスト化

電解質膜を高速量産、東京ガスとSCREENが水電解装置を低コスト化

水電解セルスタック用の低コストの電解質膜

東京ガスはSCREENホールディングスと水電解装置を低コスト化する技術を開発した。SCREENのロール状で連続して触媒を塗布する技術を使い、プロトン交換膜を使用するPEM水電解セルスタックの心臓部である電解質膜を800平方センチメートルまで高速で量産可能にした。さらに2025年をめどに需要の多い5000平方センチメートルクラスまで拡大し、水電解システムメーカーに販売したい考え。

水電解は燃料電池の反対の仕組みで、水を電極で挟んだ電解質膜を通すことで水素と酸素を取り出す。グリーン水素の実用化を目指し、東ガスの燃料電池のノウハウとSCREENのロールの塗工技術を組み合わせ2021年から両社で低コストセルスタックの開発に取り組んできた。触媒インクとして塗布するイリジウム粉末とポリマーの混合比や溶媒を工夫することで、イリジウムの使用量を減らしロール状で薄く塗工することに成功した。

両社はシステムメーカーに電解質膜を販売するとともに、東ガスは自社での水素製造にも利用する考え。東ガスは希少金属のイリジウムを使用しない触媒の開発も米ベンチャーと進めている。

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