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Sotasが生産管理システム開発、中小企業も脱炭素へ

化学業界向け受発注管理支援
Sotasが生産管理システム開発、中小企業も脱炭素へ

Sotasのサービスの利用イメージ(同社提供)

「地球全体がカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)に動いている。日本も大企業だけでなく、中小企業の脱炭素を進めていく必要がある」と語るのはSotas(ソータス、川崎市幸区)の吉元裕樹最高経営責任者(CEO)だ。同社は中小素材メーカーの脱炭素化と業績向上を支援するベンチャー企業。2022年11月に化学業界に特化した受発注・生産管理システム「Sotas工程管理」の提供を始めた。

政府は50年の脱炭素実現に向け、22年4月に改正地球温暖化対策推進法を施行。上場企業は温室効果ガス(GHG)排出量の指標や削減対策などの気候関連財務情報の開示が義務化された。中小企業も含むサプライチェーン(供給網)全体の二酸化炭素(CO2)の見える化が求められている。化学業界は鉄鋼業界に次いでCO2の排出量が多い。吉元CEOは、化学関連の中小企業が抱える受発注システムと脱炭素の課題解決に貢献するシステム開発に着手した。

Sotas工程管理は、毒物や劇物を登録・分類・識別でき、欧州特定有害物質規制(RoHS)や化学物質規制(REACH)、インボイス制度などにも対応した。今年春には製品登録時に安全データシート(SDS)を添付するだけで情報を自動で取り込み、毒物および劇物取締法が定める5年間の取引を保存する機能を搭載する。「大手企業でも複雑な管理。中小企業はさらに大変で、状況を改善したい」(吉元CEO)。

Sotas工程管理の画面イメージ(同社提供)

今月からGHGの排出目標値の設定や達成に向けた活動目標を「見える化」する機能も搭載予定。サプライチェーンでのGHG排出量「スコープ3」対策に寄与する。

化学メーカーの勤務経験を持つ吉元CEOは今回のシステムに自身の経験と、さまざまな化学メーカーからヒアリングした内容を盛り込んだ。「『地球に長生きしてもらう』という目標と、中小企業を起点に製造業の脱炭素や業績向上などにつながるよう取り組みたい」としている。


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日刊工業新聞 2023年1月31日

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