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三井住友ファイナンス&リースが立ち上げた“自分創り“支援の中身

三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は2022年10月、社員研修を体系化した「SMFLアカデミー」を立ち上げた。環境変化を先取りし、新事業を創造できるよう社員自らが自律的なキャリア開発を可能にする人事制度の一環だ。

「今まで求められていたこと以上に社員一人ひとりが各専門領域で成長しなければいけないという強い危機感を感じている」―。深堀拓也人事部部長代理兼人材開発室室長代理は、SMFLアカデミーを立ち上げた理由をこう説明する。

国内リース大手は市場の成熟化や低金利の長期化で国内ファイナンス事業の高成長が望めなくなる中、不動産や再生可能エネルギー、海外などの成長を取り込む施策を相次ぎ打ち出している。会社側が階層ごとに受ける研修を指示するのではなく、社員自身が自律的により専門性の高い人材になれるよう研修を公募型に随時置き換える方針だ。

具体的には、デジタル関連の研修を体系化した「SMFLデジタルアカデミー」、海外業務に必要な研修を体系化した「SMFLグローバルアカデミー」を新設。

オンライン学習プラットフォーム(基盤)「ユーデミー」に続き、オンライン動画でビジネスを学べる「グロービス学び放題」を全社員向けに導入し、「内外のさまざなまツールを自ら選択しながらスキルを身に付けるようにした」(深掘部長代理)という。人材育成投資額も25年度に6億円超と22年度比3倍程度に増やす。

SMFLは、所属する部店以外の職場の1日体験「ジョブ・シャドー」、各部店の業務説明会に参加して社内の幅広い業務を理解してもらう制度「ジョブ・フォーラム」も用意している。各部店が求めるスキル公開制度や社内公募制度を1年に渡ってサイクル化させることで中長期的なキャリアを考える機会にしてもらい、「社員のチャレンジする意欲や新しい自分創りを支援する」(同)狙いだ。


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日刊工業新聞 2023年02月07日

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