再生エネを社員から購入する日本特殊陶業の狙い
日本特殊陶業は、従業員の家庭から再生可能エネルギー電力を買い取る制度を始めた。再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)による電力会社への売電期間終了後(卒FIT)、従業員は売電先を確保できる利点が生まれる。再生エネ電力調達拡大と福利厚生の一環として実施する。従業員一体となって脱炭素化に取り組む先進事例となりそうだ。
従業員の住宅の屋根などに取り付けた太陽光パネルで余った電力を、中部電力ミライズ(名古屋市東区)を通じて日特陶が買い取り、エンジン点火プラグを生産する小牧工場(愛知県小牧市)で使う。すでに31人が制度を利用しており、年間約9万キロワット時の電力調達と二酸化炭素(CO2)約40トンの削減効果を期待できる。日特陶は「大規模に再生エネ電力を調達するよりも、脱炭素化の意識を従業員に啓発する狙い」があるとしている。
日刊工業新聞 2023年02月24日