大成建設が開発、環境配慮型コンクリートのスゴイCO2削減効果
3Dプリンター向け
大成建設は建設用3次元(3D)プリンター向けに、材料としての適用を可能にした環境配慮型コンクリートを開発した。コンクリート材料の組み合わせや比率、混和剤の配合などを調整。コンクリートの製造工程で発生する二酸化炭素(CO2)の排出量を削減しながら、3Dプリンターで使うために求められる粘性と流動性を確保した。2022年度内にグループ会社の工場改修に投入する。
同社が独自開発した環境配慮型コンクリート「T―eコンクリート」の製造技術や、3Dプリンターによる施工技術「T―3DP」を活用した。このほど開発したコンクリートは材料にセメントを使わず、CO2を固定した炭酸カルシウムを練り混ぜて仕上げる。一般的なコンクリートと比べ、1立方メートル当たりのCO2排出量を160キロ-350キログラム削減できるという。
同社はこれまでにセメント代替の高炉スラグやフライアッシュを混合した「T―eコンクリート」、炭酸カルシウムを結合材と固化させてCO2を固定したカーボンリサイクルコンクリートを開発。シールドトンネルや研究施設、工場などに適用してきた。複雑な形状の建材を型枠なしで自動製作する3Dプリンティング技術の開発にも取り組んでいる。
日刊工業新聞 2023年01月05日