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旭化成がコンセプト開発、AR・VR端末を操作する指輪型コントローラー

旭化成がコンセプト開発、AR・VR端末を操作する指輪型コントローラー

AR端末を装着したままバーチャルペットと散歩するイメージ

旭化成は、拡張現実(AR)仮想現実(VR)端末を小さな動きで操作できる指輪型コントローラーのコンセプトを開発した。人さし指に装着して手を握り込むと起動し、親指で突起部分を押して操作する。将来、AR/VR端末が普及し、日常的に目立たない動きで操作するニーズが生まれると考え開発した。事業化時はメーカーへの開発協力や中核部品の磁気センサーの供給などを想定する。

AR・VR端末向け指輪型コントローラーのコンセプト

技術のポイントは、指輪の突起部分から指との接触面の間に内蔵したサンドイッチ構造だ。3軸磁気センサーを磁石2個で挟んでおり、手を握ると内側の磁石とセンサーが近づいて起動する。操作時は表面の突起部分を押したり傾けたりすると、外側の磁石と磁気センサーの距離が変わり、コマンドを送れる。手を開くと操作画面は消える。

現在のAR/VR端末の操作は腕を大きく動かしてカメラで動きを検知するほか、手持ちサイズのコントローラーを使う。外出時や近くに人がいる場での利用は難しい。

このほど試作を完了して操作性を確認し、市場へのコンセプト提案を始めた。実用化時期は未定。実用化するには、AR/VRヘッドマウントディスプレーとの通信や電力供給などを含めて設計する必要がある。

同社の磁気センサーはスマートフォンをはじめ幅広く採用されている。豊富な技術蓄積を生かして、このコンセプトを開発した。耐水性などにも優れ、装着したまま手洗いなどの日常動作を行うことを想定している。


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日刊工業新聞2023年2月20日

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