世界最高クラスの高速動作、東大が塗布型の「n型酸化物半導体」開発
東京大学の竹谷純一教授と熊谷翔平特任助教らは、塗布工程で形成できるn型酸化物半導体を開発した。n型は電子が流れる。正孔が流れるp型有機半導体と組み合わせて発振回路を作製し、高速動作を確認した。塗布で製造する半導体デバイスの普及を目指す。
酸化インジウム・酸化亜鉛(IZO)のn型薄膜トランジスタ(TFT)を塗布で作製する。前駆体溶液をポリイミドフィルムに塗り、焼結とフォトリソグラフィーでn型TFTを作製した。この上にp型の有機半導体を塗布で積層した。
発振回路のリングオシレーターを作製すると77キロヘルツで動作した。塗布型半導体としては世界最高クラス。p型とn型の両方がそろい、相補型回路を製造できるようになった。
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日刊工業新聞 2023年02月14日