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通信料値下げ響き減益決算も…携帯3社が力を入れていること

通信料値下げ響き減益決算も…携帯3社が力を入れていること

通信料の値下げが各社の収益を圧迫する状況は続いている

携帯通信3社の営業利益が伸び悩んでいる。2022年4―12月期連結決算(国際会計基準)はKDDIを除く2社が営業増益となったものの、NTTドコモの増益幅はわずか。ソフトバンクも主要事業での営業減益が目立つ。通信料の値下げが響いており、比較的堅調な金融や電子商取引(EC)といった非通信事業も、大幅な利益貢献にはつながっていない。各社はコスト削減を加速させ、次の成長に向けた投資をいかに確保していけるかが問われる。

KDDIの22年4―12月期連結決算は増収営業減益だった。「燃料高騰影響などを除き、おおむね想定内で推移した」(高橋誠社長)というものの、通信料金の値下げによる影響が営業利益ベースで710億円発生。注力領域でも、エネルギー事業は営業減益だった。

携帯通信3社 2022年4-12月期

ソフトバンクはスマートフォン決済のPayPay(ペイペイ、東京都千代田区)を22年10月に子会社化したことに伴う再測定益が営業利益を押し上げたが、主要事業は振るわなかった。個人向け通信事業は通信料金引き下げ、ECなどを手がけるヤフー・LINE事業は人材採用の強化に伴う費用増が響いて、それぞれ営業減益だった。

NTTドコモは、22年4―12月期の個人向け通信事業の営業利益が前年同期比7・8%減の4877億円だった。この落ち込みを法人事業や、金融をはじめとするスマートライフ事業の伸びで補ったものの、連結業績を大きく押し上げるまでには至っていない。

こうした状況を踏まえて各社は、コスト削減に力を入れる。NTTドコモは費用の効率化により、22年4―12月期に営業利益ベースで159億円のプラス効果が発生。ソフトバンクは、今後第3世代通信(3G)など三つの通信サービスの終了を予定しており、ネットワーク運用コストの低減を見込む。24年3月期には外注費の削減も行う方針だ。

一方で、宮川潤一ソフトバンク社長は「通信業界はコストダウンをやり過ぎると障害につながりかねない」と指摘する。22年7月にKDDIが起こした大規模通信障害をはじめ、昨今の通信業界ではトラブルが頻発している。各社は安定した通信サービスの提供に必要なインフラ投資を行いつつ、いかにコストを削減できるか、バランス感覚が重要になる。

日刊工業新聞 2023年02月14日

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